『お客様第一主義』が日本を衰退させる!?これから必要になる顧客に振り回されないマーケティングスキル

100円のコーラを100円で売る方法を読んで 仕事について
スポンサーリンク

2021年に一年遅れで開催されたオリンピックの開会式・閉会式の演出を見て、今後の日本の行く末に不安を覚えた人はどれほどいただろうか?
文春によって公開された女性演出家MIKIKO氏が関わったチームがIOC側にプレゼンした”幻の開会式案”。コロナによって1年延期されたとはいえ、彼女が再構成を行えば、こんな学芸会以下レベルの式典にはならなかったハズだ。
つまらないのはもちろん、こんな寒くてダサい演出が日本が手掛けたものとして世界に向けて発信されていることが、日本人としてただただ恥ずかしくて悔しくって、、、怒りすら覚えてくる始末。

コロナで混乱し疲弊していく日本社会。
日本には打開する素晴らしい技術やアイデアがもしかしたらあるのかもしれない。
しかし、それを生かすことができない人間が指揮をとると、どんなにお金を使っても、あの学芸会以下レベルの開閉式のような結果になってしまう。
素晴らしい作品があったにも関わらず世に出すことができず、返金レベルの作品を披露することしかできなかったオリンピック開閉式。
きっと表面化していないだけで、このようなことが常態化しているのではないだろうか。
オリンピック開閉式は、ふとそんなことに気づかされた出来事でした。

「お客様第一主義」が日本を衰退させる!?

「お客様第一主義」は、日本社会におもてなし精神を定着させた。
飲食店・ショップや運送など日本では、いつでもどこでも行き届いたサービスが低価格で提供されている。
『低価格かつ高品質』は、カスタマーとしては確かに有り難いことです。
テレビでも「盛りだくさんで、お買い得!!」など、低価格で高クオリティが素晴らしいと演出をされている。
しかし、それは巡り巡って自分たちの首を絞めることになるんじゃないだろうか。

低価格を要求する客は要望が多い!?

実際、私は技術職であるが、ちょっとした変更などタダで対応するように依頼されることが多々あります。
知識や技術は物理的なコストが発生していない分、それに対する価値を認識してもらいにくい。ひどい時には費用が発生する旨を伝えると、キレる客もいる。

正直、安い金額で受けた仕事ほど、このような無理難題を言う客がいるように思います。
私としてはこのような客は即取引中止したいところであるが、顧客第一主義の弊害でタダで対応することになる。
キレれば対応してくれることを知った客は、毎回契約以上の要求をし、断られたらキレてタダ対応してもらうという悪循環になっている。
会社の一員として働いている以上、上が「No」を言わなければ、この理不尽な客の対応をずっとしなければならない。

高品質・多機能。なのに低収益から脱却するには

そもそも自分ひとりで稼ぐ能力がないことが私の一番の問題なのかもしれないが…すぐ独立することは現時点では難しい。
何かこの状況を打開する術がないかと思っていたところ、一冊の本に出会った。
”「顧客」に振り回されるな。”
100円のコーラを1000円で売る方法」の帯に書かれていた言葉が、今まさに自分の状況にマッチして思わず手に取ってしまった。
その中で、今後仕事をする上で参考となる考え方があったので、一部を備忘録としてまとめました。

顧客の要望をすべて反映しても評価されない

顧客の要望にすべて応えたとしても、それに対する評価は期待するほど高くないそうだ。
必要なことは、顧客に必要なものを何か見極め、それを提供することである。
人は自分の知識の範囲内でしか判断ができない。顧客の要望をすべて鵜呑みにすることなく、

顧客の課題に対して自社ならではの価値を徹底的に考え提供する。

本では価格を下げることなく、顧客にとって本当に役立つ商品を提供していたが、値下げされることに慣れている社会では、意外と難しいかもしれない。
良いものにはきちんとお金を払う社会になってほしいものである。

自社だけの価値を見つけ出す方法

ほとんどの企業は、時間とコストをかけて、他社と同じことを一生懸命自社でもやろうとする。
その結果、価格面での勝負になってしまい、利益がどんどん少なくなってしまう。
実際、そのような状況に陥っていて低収益にあえいでいる企業が日本には多い。
それを打開する方法が、『バリュープロポジション』
バリュープロポジションとは

「顧客が望んでいて」「競合他社が提供できない」「自社が提供できる」価値

のことだそうです。

value
これを見つけることができれば、価格面での競争をすることなく、価値を正当な価格で勝負することができます。
本では街の電気屋さんやキシリトールガムがヒットした理由を例にこのバリュープロポジションについて説明されていました。

価格を下げずに、価値を上げる

高い費用を払うぐらいなら、自動化できる箇所を手作業にして、少しでも価格を安くしたいと考える方は多くいます。
しかし、その手作業でやっている社員の時間分の給料は発生しています。
目の前の費用ばかりにとらわれて、時間というコストって意外と見落とされてますよね。
低価格で高品質が当たり前となっている現在から少しモノの価値や見えないものへの価値をきちんと評価していく時代になって日本の技術力・社会が発展していけばと思います。

これからの時代は知識や技術があるだけでなく柔軟な発想ができる人が必要となってくるかもしれません。
『芸は身を助く』。自分の価値を上げるために時間を使うことで、不安定な社会でも生き抜いていける力を身につけておかなければと思いつつ、良い本に出会えたことに満足の一日でした。

マーケティングおすすめ本
100円のコーラを1000円で売る方法」著者:永井孝尚

タイトルとURLをコピーしました