テレビでの恐ろしい映像を見たのは、五年前。
ちょうど仕事中だった私は、年度末の忙しさもあり、休憩中でもないのに職場の廊下に設置されたテレビを見ている同僚たちに苛立ちを覚えていた。
まさか、あんな恐ろしい光景がテレビ画面で流されているとは知る由もなく…。
私の知人は、この恐ろしい光景をテレビで放送される数時間前に自分の夢の中で見ていた。
世間一般で言うところの「予知夢」である。
3.11の朝、知人は自分の家が津波で流される夢を見た。
大阪在住なので正確には当たっていないのだが、科学的に説明できない不思議な能力というものが一部の人間にはあるものだ。
この能力は、もしかしたら人類が生き残るために一部の選ばれた人間に備わったものなのかもしれない。
私の実家の二階から誰もいないのに走り回る足音が聞こえると恐ろしいことを言ってのける知人。そんな能力が備わってなくって私はつくづく良かったと思う。
霊感なんて皆無な私でも、何度も金縛りにあったりと恐怖体験をした実家なので何かあるのだろう。
そんな知人の不思議な能力は、特に予知夢という形で発揮される。
どちらかと言えば、良いことよりも悪いことのほうが当たるので、
知人が恐ろしい夢を見たとときは、かなりドギマギとしている私。
ちょうど去年の１月ごろ、黄金の大蛇が脱皮し、その抜け殻を捕ろうと必死になっている夢を見たという知人。今のところ…正夢にはなってないようである。
その黄金の大蛇が私のところへやって来ることを祈るばかりだ。
