さし木は種まきと違って親株と同じ花色や香りを持った苗をつくることができます。
品種名のついた株を殖やしたいときによい方法です。
6~7月ごろと9月ごろの気温が20度前後ぐらいの季節に、新しく伸びた元気な枝が少し硬くなったものを10cmくらいの長さで切り取ります。さし木用土に埋まる部分の葉を落とし、清潔でよく切れるカッターナイフなどで1~2cm茎を斜めに切り、水に1時間くらいつけておきましょう。
さし床の用土は川砂とバーミキュライト、パーライト。赤玉土などの病害虫がなく肥料分のない土を使用し、ふるいでみじんを取り除き鉢に入れ、水やりをしておきます。
余分な水分が流れたら、箸などの棒で2~3cmの深さで葉が触れ合わないような間隔に穴をあけ、さし穂が穴の底に届くのを確認します。
親指と人差し指で茎の元の部分を押さえ、水やりをした時に倒れないようにします。
このさし穂は茎から吸い上げる水の量が少ないので、葉の大きいハーブの場合は、枚数は4枚くらい、葉は1/2~1/3切り落として、さし穂が萎れないように調整してください。
さし穂をさした鉢は、日陰の涼しい場所で管理しますが、用土が乾きすぎないように、さし穂が萎れないように2~4日に1回水やりをします。
草のようなハーブは、2週間くらいで初根をはじめ、1か月くらいしたらポットへ移植できます。
木のハーブは少し時間がかかり、1か月半から2か月くらいするとポット上げできます。
さし木の難易度
易 | ミント、レモンバーム、パイナップルセージ、メキシカンプッシュセージ、チェリーセージ、ベルガモット、マウンテンミント、オレガノ |
難 | ラベンダー、ローズマリー |
ポイント
ラベンダー
6~7月ごろには花が咲くため、さし穂がとれません。
開花後刈り込みをすると新しい枝が10月までには10cm~20cm伸びます。この枝を使って10月にさし木をします。
ゼラニウム
枝に水分を多く含んでいるので、水あげをすると、切り口が腐りやすくなってしまいます。
切り口を半日くらい陰干ししてから挿します。
タイム
1本の枝だけでは、こんもりとした株になるまで年数がかかります。
少し手間な作業になりますが、1つの穴に枝を2~3本さして育苗していく方が、早く株に仕立てることができます。